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24 8月 2025
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千夜物語で百物語 第五夜「ソワレの前に」後編 河本 享

「ソワレの前に」(後編)

 

 

有料公演はかつての芝居仲間が会場係として公演をサポートしてくれる。
そんな仲間の存在は必要不可欠だ。

 

「マチネのチケットはほぼ完売。自由席だから空いている席をきちんと把握して遅れてきたお客様を上手くご案内して」

 

おかみさん役が当たり役だった元芝居仲間がちゃきちゃきと他のスタッフに指示をとばす。

芝居の幕が開けると空席の場所を確認し会場係は一旦休憩。

 

「今、8列目の真ん中辺りにひとつ、15列目端から3番目辺りにひとつ空いてる感じかなぁ。」

 

モニターを確認して若いスタッフが空席状況を把握。
劇場のドアからかすかに漏れ聞こえる芝居の音響。

前日のゲネプロを観ているのでおおよその場面が想像できる。
暗転中や転換中で芝居に影響が出ないタイミングをねらって席まで誘導するため芝居の進行にも気をつかうのだ。

芝居が佳境に入る少し前、
ふたり連れのお客が汗を拭き拭き会場へ。

ご案内できる席が離れてしまうなぁと会場係はモニターで空席を確認する。
するとどうだろう先程までひとつしか空いてなかった8列目の空席の隣も空いている。
気にはなるが芝居の進行もあるので急いで席に案内し、再度空席を確認。空席残数1。

 

「ねぇ誰かお客様が帰られたの、見た?」

 

案内から受付に戻った若いスタッフが待機スタッフに確認する。

この劇場は出入り口が少なく
演出やセキュリティ上の理由で上手に続くひとつの出入り口を封鎖し
警備係を置きどの出入り口から出ても必ず受付前を通らねば外には出られないようになっていた。

立ち見ができそうな空間はあるが
そこも演出上の理由で客が入らないよう監視の目があり立ち見をしていた客を見た人はいない。

そこまで広くない客席で誰か立ち上がれば
目立つしモニターに映らないわけがない。

芝居が終盤に差し掛かる前に最後まで空いていた席にもお客が入りマチネが終わる。

 

もぎった半券の枚数からも満席が確認でき、
『満員御礼』と楽屋に歓喜の声があがったのはソワレの前だった。

 

 

 

文章:河本 享

 

 

 

 

 


23 8月 2025
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千夜物語で百物語 第五夜「ソワレの前に」前編 河本 享

「ソワレの前に」(前編)

 

所属している素人演劇での出来事。

 

私が属している演劇の団体は元々演劇のワークショップから有志が集まってできたものなのだ。
年に一度有料公演をしワークショップで縁が出来た方々も観に来てくださる。
知り合い率高しのアットホームな公演なのである。

 

「ベーさん、亡くなったんだよ」

 

私と同い年で団体1期生の幸さんが小屋入り前の稽古の時話しかけてきた。
べーさんは幸さんの学生時代からの友人でたまたま私も同学年という事でつるんでいた。

脳血管疾患で急な事だったらしい。

べーさんは恰幅の良い男性で前の年のワークショップでは西郷隆盛の役を演じたのだった。
浴衣に兵児帯姿がいかにも西郷どん。
その年の有料公演でも西郷隆盛が出てくるのでべーさんに演じて欲しかったなぁなんてその訃報を知る前、稽古中に話していた事もあった。

 

日は過ぎて小屋入りの日。

 

公演3日前から小屋(劇場)に入り舞台の設営、
照明の設定、音響や映像の調整。

この頃から芝居がやりたくて集まっている集団の中で私はあえて裏方(映像と小道具担当)をしていた。
公演中は下手舞台袖に陣取ってパソコンをカチャカチャ操作するのだ。

公演当日、マチネとソワレの2公演。(昼公演と夜公演)
両方ともチケットはほぼ完売。
消防法の事もあり立ち見や椅子の増設もできず案内係はリアルタイムで座席数を確認するしかない。
下手袖にあるモニターからも空き席が無いのがよくわかる。

マチネ公演が始まり舞台袖は必要最低限の灯り。

出番に合わせ袖で待機する仲間を応援しながら台本首っ引きで映像を切り替える。
暗転、板付きの為、袖で待機していた仲間達全員がそろそろと舞台上に移動してゆく。
しばらくは舞台上が賑やかだ。

ふと背後に人の気配。

音もなくその気配はこちらに近づいてくる。
舞台から目を離すわけにはいかないがそっと視界の端に目を向ける。

どっしりとした浴衣姿、
兵児帯に小刀を携えて舞台を眺めるように立っている出演者ではない誰か。

 

「まさか、べーさん?」

 

しばらくするとその気配は消えた。

実は同じ時間に受付案内係も不思議な現象に遭っていた。

 

 

文章:河本 享


21 8月 2025
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千夜物語で百物語 第四夜「大家と店子」河本 享

「大家と店子」

 

以前住んでいたマンションでの事である。

田舎なので大家さんの母屋、
離れと同じ敷地に建つ新築中低層賃貸マンション。
立地条件は良く完成と同時に入居した。
同年代の店子も多くご近所付き合いも苦ではなく
会えば挨拶や立ち話をするような友達も何人かできた。

ある日御高齢だった大家さんのおばあさまが亡くなったようだと友達のひとりから電話があった。
詳細はわからないが今日がお通夜だと言う。

たまたま葬祭業者の方をお見かけしその事を知り、
店子としてお通夜に参列すべきかとの相談だった。

同じ敷地内に建っている賃貸物件の店子だがこの時代、
建物管理は管理会社が仲介し、直接大家さんとやり取りする事もない。
数人の店子達で話し合って敢えて参列しないことにした。

そして夕方、
室内でゴソゴソしているとどこからともなくお線香の香りが漂ってくる。

ああそういえばそろそろお通夜の時間か。

しかしさすがお線香、
同じ敷地といってもだだっ広い駐車場をはさんで6階まで
線香の煙は上がってくるものなのだなぁと呑気に同居人に尋ねてみた。

「お線香の香りってここまで漂ってくるもんなんだねぇ」

「線香?そんな匂いしないよ?」

「いやさっきからふわふわ漂ってるって」

外に出てたら香りの出所がわかるだろうと慌てて掃き出し窓を開け
ベランダに出てみたがベランダでお線香の香りはしない。

また南からの風で大家さんのお宅はマンションより風下になる。

やっぱりお通夜、行っておいたほうがよかったのかもしれない。

 

文章:河本 享

 

 

 


14 8月 2025
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千夜物語で百物語 第三夜「通り道 2」河本 享

さて、

お盆も真っ盛りですが、

夜はいかがお過ごしでしょうか?

 

この百物語は、実話に基づいたの怪談であります。

そんな怪談話を文章にしたためていると、

不思議な出来事が起こるらしいですよ・・・。

 

では、第3夜へ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

百物語 第3夜

 

「通り道 2」

 

実は河本の自宅にも何かが通り抜ける空間がある。

リビングのドアと勝手口のドアを結んだ空間で寝ると何かの気配が…

と、ここまで書き進めていたら家鳴りとかではないパシッという音が。

これは警告音か?と戸惑っているとさらにもう1回パシッ。

はい、この話はここまで。

(実は「ここまで」としておきながらも数時間後、自宅の別の場所で推敲していたらまたパシッという音が聞こえた事をつけ足しておきます)

 

文章:河本 享

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 


13 8月 2025
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千夜物語で百物語 第二夜「通り道」河本 享

今回で第2回目となります「千夜物語で百物語」

 

連日続いている暑苦しい夏が、

少しでも涼しくなれますように。

 

それではこちらから

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

百物語 第2夜

「通り道」

戦後すぐに建てられ
今は取り壊されてしまった田舎の民家での話。

土間が広く以前は耕作の為の牛が飼われており、
北側にある台所も土間で大きなかまどがあった。

かまどの横には勝手口があり、
廊下をはさんだ先に2階への階段がある。

夏場は台所から登った階段の先の2階の部屋の窓をあげておくと
風が吹き抜けて涼しく過ごすことができたそうだ。

寝苦しい暑い夏の日の夜、
クーラーの無いその部屋の男は吹き抜ける風を最大限利用しようと
勝手口、階段、部屋の窓の一直線に風が吹き抜ける場所に布団を敷いて横になった。

襖があり部屋の出入り口にあたるのでそこを避けていたのだが暑さに負けたという。

予想通り吹き抜ける風は心地よくすぐに眠りに落ちた。
が、しばらくするとギッギッと階段を登ってくる音で目が覚めた。

階段をゆっくり踏みしめる音はだんだん近づいてくる。

「こんな時間に誰が?明かりもつけずに」

そう思った刹那、
黒く大きな影が寝ている男に覆い被さった。

何をするわけでなくのしかかり身体の自由を奪う。

声も出せず耐えるしかない。

吹き抜ける風もピタリと止まり嫌な汗で全身じっとりしてきた。

どれくらいの時間が経ったのだろう
木枠のガラス窓を鳴らすような強い風が
急に吹き抜け影はかき消すように消えていった。

 

文章:河本 享

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

次回、第3夜は、明日の更新となります。

 

 

 


01 8月 2025
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西洋占星術で観る8月の運勢 文章:外山聖珠

今月8月の全体運を外山聖珠先生に占ってもらいました。

世界的に見ても、
戦争や関税などの経済的問題や
異常気象による作物の不作など
混沌としている世の中ですが
どんな時にも場合でも何らかの選択をしてゆかなければなりません。

日々の小さな幸せが
実は本当の幸せへの道なのかも知れません。

何らかの参考になると幸いです。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【2025年8月の運勢】

 

太陽が獅子座に8月22日まで在住する期間は
エネルギーが高まり、人前に出たり、注目を集める機会が増えます。

自分自身がこの人生の主人公だと思って、
この先の物語をどうしていくかを楽しみながら妄想してみよう。
そうしてイメージした事が現実になるかも。

8月7日に火星が天秤座に入ると人との関わりが積極的になり、
8月11日逆行していた水星が順行になるのでこの頃に勢いがついてきそう。

このまま開運の波に乗って色々な事に挑戦してみましょう。

 

恋愛運では8月12日に蟹座にある木星と金星が会合します。

深くつながるご縁の人と出会えるかも。

または過去の縁が戻る予感も。

初めて会った人なのに会った事があるような気持ちになる人が運命の相手となりそう。

 

 

⭐️ラッキーアイテム⭐️
 お気に入りブランド品、ゴールドアクセサリ

⭐️ラッキーフード⭐️
 マンゴー、パイナップル
 スパイスの効いた料理

⭐️ラッキープレイス⭐️
 劇場、美術館、ライブハウス、人が集まる場

 

 


29 7月 2025
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千夜物語で百物語 第一話「パチンパチン」河本 享

7月も終りに近い中、
すでに気温は真夏✕2以上に振り切ってます。

夜は夜で連日の熱帯夜を更新中🥵🔥
冷房なしではそのまま昇天しまいそうな今日此の頃😇

そんな暑い最中に
少しでも気分的に涼んで欲しいと思い、
夏恒例の怪談話を千夜物語でもやってみることにいたしました。

何回までつづくかはネタ次第ですが、
「千夜物語で百物語」と題しまして、
これから一話ずつ怪談話を披露したいと思います。

今回は第1回目ということで
河本 享先生に話を綴っていただきました。

寝苦しい夜に読んで、
涼しさを感じていただけたらと思います・・・

それでは、どうぞ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

『パチンパチン』

伯父の隣家には高齢の女性がひとりで住んでいた。

隣家の女性は常日頃から伯父の敷地に伸びてしまう生垣の枝を
「ごめんねぇわるいわねぇ」と剪定していた。
草花一本伯父の敷地にはみ出させることなく、
いつも整然と整えられていたのを見た記憶がある。

それから数年後、
隣家の高齢の女性は病いに臥し他界。
主人を失った屋敷は、
時々様子を見に来る親戚筋の方が
手を入れるが庭が荒れるのには時間が掛からなかった。

伯父宅に立ち寄った際、
駐車場から何気なく覗いた隣家の庭先には
膝丈まで伸びた夏草が生い茂り
庭木も好き勝手に枝を張っているようだった。

「時々手入れに来てくれる人がいるんだけどねぇ、まあすぐに伸び放題になっちゃうのよ」

伯母は母屋へと招いてくれながらふと立ち止まって
隣家との境を眺めながらこっそり

「お父さんがね夜中に剪定鋏で枝を切るパチンパチンって音が聞こえるっていうのよ。嫌よねぇ。」

伯母の目線の先にあったのは隣家との境界線。

生垣の枝も葉もこちらに伸びていない。

きれいな一平面に整った生垣が夏の日差しを受け止めていた。

 

文章:河本 享

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

👻


09 7月 2025
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8月の予約を開始しました(2025年)

曰く付きの7月5日がすんなりと過ぎ去り、

何事もなく七夕も終えることが出来ました。

 

この様な終末論を大げさに述べる同業者も居りますが、

当店「占の城 千夜物語」はいつも冷静になって占いの観点から検証して、

人々の不安な心を煽らない様に心がけております。

 

興味のある方は、こちらの動画をご覧いただくと私達の姿勢が伝わるのかも知れません。

 

 

さて、

本題になりますが、

8月の占い予約を開始しております。

 

8月はお盆の期間がありますが、

当店は無休で営業しております。

 

今月の7月からは夏休み期間中に入られる方々もいらっしゃると思います。

夏休みと言えば「学割」の季節でもあります。

当店では8月31日まで「ポイント&学割キャンペーン」と題して、

それぞれ500円の割引をさせていただいております。

 

学生様は一律500円の割引、

更にポイント3つ集まると更に500円の割引となります。

ふたつの割引は併用可能ですので、

最大1,000円の割引となります。

 

夏は暑いですが、

当店は暑い日差しを受けずに来店が出来ます。

名古屋駅から地下を通り、

近鉄パッセのエレベーター・エスカレーターをお使いいただければ、

空調区間だけを使った来店ルートで移動が可能となります。

 

占い店に迷ったら、

名古屋駅から一番近い千夜物語へお越しください。

 

 


07 7月 2025
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【 夏の学割 ‘2025 】

暑い夏に、
今年もはじまりました。

「夏の学割 ‘2025」

お客様が学生様であれば、
お一人様500円の割引をさせていただきます。

夏休み期間中になんどでもご利用可能です。
学生証をお持ちの方であれば、年齢制限もございません。
社会人で学校に通われている方でも500円の割引となります。

何名様でお越しいただいても、
それぞれ1名様ずつ500円の割引となります。

通常20分3,000円のところ、
学割20分2,500円となります。

経験豊富な本物の占い師が
この価格で占うなんて事はめったにありません。
確かな占術を体得した占い師の
本物の占いを体験してみませんか?

ネット予約では学割表示がされてませんが
レジにてしっかりと500円割引させていただきます。

更にポイント割も併用が可能です。
3ポイント貯まれば500円割引となるので、
こちらのポイント割を含めれば、
学生様は1,000円の割引となり、
20分鑑定が2,000円の地域最安値となります。

当店の場所は、近鉄パッセ10階です。

つまり、
地下街を抜ければ、
一度も暑い地上に出ずに来店出来ます!!

名鉄横の小上がりの階段を上り、
近鉄改札口に出れば、
コーヒーショップ横のエレベーターがありますので、
お乗りいただき10階のボタンを押してください。

楽に店頭までお越しいただけます。

それでは、今年の夏は、
日差しにも雨にもあたらず行ける占い館
「占の城 千夜物語」で涼しく未来を占いましょう。

ご来店お待ち申し上げます。


01 7月 2025
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「西洋占星術で観る7月の運勢」を外山聖珠に占ってもらいました

今月7月の運勢を外山聖珠先生が西洋占星術で占ってみました。

今年の7月はどんな運気の流れになるのでしょうか・・・

【2025年7月の運勢】

7月の運勢での大きな動きとしては7月7日に変動の星、
天王星が双子座に入ります。

今後7年間は特に情報、通信、コミュニケーション、教育については新しい改革がありそう。

7月は太陽が蟹座に入るので家族や恋人との絆が一層深まる時。
思い出の地などに行ってまた楽しい時をアップデートするのがお勧め。

ただ水星、土星、海王星の3天体が逆行する影響もあるので、
見直しや振り返りなど必要になるかも。
焦らずに必要と思う事は準備しておくようにしよう。

大きな天体が動く月でもあり、
去年から「7月5日に何かが起こるのでは」と騒がれる月でもあので、
いつかは起こるであろう災害に備える事も必要とともに、
家族や大切な人への思いを再確認する良い機会になるでしょう。

 

🔮ラッキーアイテム🔮 鏡、ワイレスイヤフォン

🔮ラッキープレイス🔮 本屋さんのカフェ、漫画喫茶

🔮ラッキーフード🔮  簡単レシピの手作り料理、プリン

 

文章:外山聖珠